コンデンサとは?~目的と計算方法~

今回はコンデンサの意味、目的、容量算出方法について説明します。
建築設備士試験でも コンデンサ関連の問題は出題されますので、内容を理解し対策を行いましょう。

コンデンサとは?

コンデンサとは電気を蓄えたり、放出する機器です。

「コンデンサ」という名称は「濃縮する(コンデンス)」から由来されていて、日本名称では蓄電器と言われていました。
なぜ“凝縮する”が由来かというと、蓄電現象発見時、液体(水やアルコール)に蓄電する実験をしており、その液体が電気を凝縮できる液体と考えられていたことのようです。

建築電気設備における進相コンデンサも、電気を蓄電し、必要時に放出するといった役割を果たしています。

コンデンサの目的

コンデンサ設置の目的として、

  1. 線路損失の減少
  2. 電圧降下の低減
  3. 電流の減少による設備余力の発生
  4. 力率割引による電気料金(基本料金)の低減
  5. リアクトルとの組み合わせによる高調波流出抑制

上記が挙げられますが、まとめると”力率を改善するための装置”になります。

力率とは?

力率とは、皮相電力と有効電力の割合を示しており、電圧と電流の位相差の違いを比率 で示したものです。
もう少し簡単に言うと、「電力を有効に利用できたかどうかの比率」になります。イメージしやすいように別のものに例えましょう 。

室内犬がフローリング上で走り出した瞬間、床が滑るため足が空回りすることがあります。
この時、犬の前進しようとする脚力に対して、距離に反映できていないため、「脚力を有効に利用できたかどうかの比率」が悪いため、力率が悪いといえます。

犬の脚力を有効に距離に反映させるためには滑り止めマットを敷いてあげると、動かした脚力のほとんどが距離に反映されるため、「脚力を有効に利用できたかどうかの比率」:有効P/皮相Sが100%に近づいていきます。

電力についても考え方は同様です。負荷の力率は100%とはなりえません。
そのため、 コンデンサを設置することで無効電力Qが小さくなり、力率が100%に近づいていきます。

なぜ改善するのか?

上記の力率とは?で記した通り、力率が悪いと効率よく電力を活用することができません。
需要家側、電力会社側の双方で無効となってしまった電力は無駄でしかなく、お互いにデメリットとなります。

では、遅れ力率の原因は何なのかというと、コイル成分が原因となります。

コイル成分は主にモーター(電動機)などの電気機器に使用されています。
電熱器の電気機器の場合は、電力は全て熱に変換されているため、力率は1(100%)となりますが、
コイル成分のある電気機器では力率が悪いため、無効電力が発生します。

また、電動機の中でも三相電動機の電力は電気容量が大きいものが多いため、
三相電源の遅れ力率を改善するためにコンデンサが設置されます。

コンデンサはどこに付けるの?

電動機による遅れ力率改善のために、コンデンサを設置するということがわかりました。

では、そのコンデンサはどこにつけたらいいのでしょうか。
大きく分けて4つあります。

①高圧側:変圧器一次側一括
②低圧側:変圧器二次側一括
③低圧側:分電盤負荷一括
④低圧側:負荷個別

・・・改善効果 :④>③>②>①
・・・かかる費用:④>③>②>①

各個別負荷に対して設置するほどコンデンサの数が膨大になり、コストが高いことに加えメンテナンス性も悪くなります。
そのため、一般的には①の高圧側の変圧器一次側に設置することが一般的となっています。

コンデンサの計算方法

ここでは建築設備士試験に出題された問題を例にして実際に計算を行います。

問題(令和2年建築設備士試験「二次試験」より)

高圧進相コンデンサの選定において、力率改善に必要な無効電力は、契約電力を用いて算定すること。なお、力率は、改善前を89%、改善後を98%とする。契約電力は900kWとする。

計算方法

算出のための計算式は下記になります。

コンデンサ容量(kvar)= 負荷容量(kW)×設置容量係数(kθ)
→コンデンサ容量(kvar)= 900(kW)×設置容量係数(kθ)なので、
 設置容量係数(kθ)が解ればコンデンサ容量を算出することができます。

上図のように①→②→③→④→設置容量係数の算出の順に計算していけば、
コンデンサ容量の算出ができます。

簡易算出方法

進相コンデンサの容量算出の際、目安として、「進相コンデンサの容量は動力変圧器容量の30%」と言われています。

この30%というのは、「全体の力率が80%となっている場合に、95%程度まで改善する」ための容量となります。

しかし、近年では多くの電気機器の力率が改善されており、85~90%ほどまで改善されていることがあるため、10~20%まで補正をかけても良いといえます。

いずれも負荷の特性を確認し、適正なコンデンサ容量を選定することが重要となります。

まとめ

今回はコンデンサについて勉強しました。
べクトル図を用いた算出方法が理解できれば、建築設備士試験対策にも有効です。
他年度の問題を解くなどして、理解を深めましょう。

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